年齢を重ねると膝の内側の痛みが多くなって、原因がわからず不安になることはありませんか？
「立ち上がるとき膝の内側が痛い」
「歩き始めたら膝の内側に痛みを感じる」
「膝の内側が痛くて階段の昇降がつらい」
このように普段何気ない動作の中で、膝の内側に痛みを感じたことがある人は多いのではないでしょうか。
一括りに膝の痛みといっても、膝に水が溜まる、お皿に違和感がある、腫れているなど、その症状や原因はさまざま。また、膝のどの部分が痛むかによってそれぞれ症状も違います。
その中でも今回は、膝の内側の部分の痛みに注目して解説します。痛いけどすぐに受診できない人のために、自宅でできる対処法やおすすめのグッズについても紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
膝の内側が痛い理由
膝痛の中でも、とくに多いと言われる悩みが膝の内側に対する痛みです。痛む場所から推測できる症状や原因について理解することで、それに合った対象法を知ることが大切です。また、どんな人に多く現れるのかについても解説していきます。
膝痛とは？
膝痛とは、膝関節辺りが痛くなる病気です。膝が痛む場所は、内側・外側・膝上・膝下・膝裏と5箇所あります。それぞれ症状の特徴を場所別にみていきましょう。
| 場所 | 原因 | 特徴 |
|---|---|---|
| 内側 | 変形性膝関節症、鵞足炎、内側半月板損傷 | O脚の人
日本人の骨格や生活習慣から特に負担過多 |
| 外側 | 外側側副靭帯損傷、腸脛靭帯損傷、外側半月板損傷 | X脚の人
筋肉や靭帯の使いすぎ |
| 膝上 | 骨液包炎、膝蓋大腿関節症、大腿四頭筋腱炎 | オーバーユース
安静にしていると緩和されることもある |
| 膝下 | 膝蓋靭帯炎、オスグッド病 | オーバーユース
比較的若い年代に多い（10?20代） |
| 膝裏 | ベーカー嚢腫、関節リウマチ | 骨や関節、靭帯が損傷または炎症そ起こす |
どんな人が多いの？
膝の痛みはとくに中高年になると痛むことが多く、中でも50歳以上の2人に1人が変形性膝関節症になると言われています。
また、水泳やサッカー、スキー、スノボー、バスケ、マラソンなど、スポーツをする人にも痛みが生じるので、若くても膝に炎症を起こす場合があります。
体の柔軟性が足りない人や急に運動を始めた人は注意しましょう。
膝の内側が痛い原因
膝の内側は靭帯、関節、骨、腱といった様々な要因が絡まっており、痛みの原因や特徴は複数あります。一般的に多くみられるのは、変形性膝関節症、鵞足炎、半月板損傷の3つと言われています。あなたがどのタイプの膝の内側の痛みなのか、次のとおりに解説していくので当てはめてみてください。
変形性膝関節症
変形膝関節症は、50代以降の中高年にもっとも多く、国民病とも言われています。変形膝関節症は軟骨が擦り減ることで、関節内の内側部分に炎症が起きて変形する病気です。日本人は、内側変形膝関節症が発生する人が多く、その割合は9割とされています。とくに女性は、男性の実に2倍近くいるとされ、加齢や体重の増加が原因となっています。
＜どんな症状？＞
- 立ち上がりや歩き始めに痛む
- 膝が曲げにくい
- 階段の昇降
- 正座が困難
- O脚になっている
- 膝が腫れて水が溜まっている
- 膝がピンと伸ばせない
変形性膝関節症は、膝の内側が痛む原因としてもっとも多くの人に悩まされている疾患です。進行性のある疾患のため、そのうち歩行困難になったり安静にしてても痛むようになることもあるので注意が必要です。また内側の関節の隙間が狭くなると、O脚がさらに悪化することも考えられます。
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鵞足炎（がそくえん）
鵞足炎とは膝から5㎝下がった、脛の内側に当たる部分が炎症を起こしている状態です。鵞足とは、筋肉と脛の骨をつなぐ「縫工筋」「薄筋」「半腱様筋」の3種類がくっついている場所で、その形が鵞鳥（ガチョウ）の足に似ていると言われています。
＜どんな症状？＞
- 脛の内側を押すと痛む
- 運動後痛む
- 腫れたり熱を持つ
- サイズの合わないシューズを履いている
- 体に柔軟性がない
- もともと膝に疾患がある
鵞足炎は膝を曲げたり伸ばしたり、ねじるなどの動作が多いアスリートによくみられる病気です。中でもランニングや、サッカー、水泳（平泳ぎ）といったスポーツが膝に負担をかけやすいと言われています。比較的、若い年代に多くみられる理由は、このような運動量の活発さが原因であることがわかります。
半月板損傷（内側）
半月板は内側と外側にそれぞれ存在しますが、膝の内側が痛いときの症状は内側半月板の損傷が原因です。半月板は、大腿骨（太ももの骨）と脛骨（すねの骨）の隙間にある軟骨に似た組織が、衝撃を和らげるクッションのような役割を担っています。
＜どんな症状？＞
- 膝が引っかかる感じがする
- 歩くと急にカクンと膝が落ちる
- 関節の曲げ伸ばしができない
- 水や血がたまる
スポーツやケガなど外傷からの強い衝撃で損傷したり、加齢によって弱まっている膝関節が擦り切れて負担がかかり、変形を起こしています。高齢者の方やバレーボールなどのジャンプ動作が多いスポーツをする人によくみられます。
膝の内側が痛い人がしてはいけないこと
膝の内側が痛い人は、日頃から膝に負担をかける生活をしていたり、無理をさせてることが原因であるといえます。
具体的に、次のようなことに気をつけながら対策をたてましょう。
①準備運動をしない
スポーツや筋トレなどを急に始めると膝を痛める恐れがあります。運動前は必ず、膝を中心に体全体をほぐしていく準備運動を忘れずに行いましょう。準備運動である程度体が温まれば、その後の動作がスムーズになります。
②運動する際のフォームが不適切
サッカーや水泳、ランニング、筋トレなど、あらゆる運動には体を動かすときに適切なフォームというものがあります。例えば、ランニングの場合、走る姿勢が崩れていると膝の内側を痛めたり、パフォーマンスに大きく影響します。それぞれ適切なフォームを身につけるように意識しましょう。
③サイズや形が合っていない靴を履く
サイズや形の合わない靴は、膝の内側だけでなく足全体に負荷がかかり、放置していると変形する可能性があります。とくに女性は高さのあるヒールや先の尖ったパンプスを履く機会が多いので注意が必要です。
④無理に運動を続けない
痛みや違和感を感じたら、無理にスポーツや運動を続けないようにしましょう。無視して行うと膝の内側の痛みが悪化してしまう恐れがあります。なるべく安静にして、回復するのが確認できたら始めるようにしましょう。
⑤筋肉や軟骨に負荷がかかる動作は控える
たとえば、重たい荷物を持ち上げたり膝が大きく揺れる動作などは、筋肉や軟骨にダメージをあたえています。仕事上やむおえない場合は、こまめに休ませたり膝専用のサポーターを使用するなどして対策を立てましょう。
正常なときあまり意識が向くことのない膝は、違和感を感じるようになるとちょっとした動作でも強い痛みが走ることがあります。したがって、異常が現れる前からケアを怠らないことが大切です。
膝の内側の痛みに効果的な対処法【応急手当編】
膝の内側が痛む原因を理解したところで、実際どのような対処法があるでしょうか？
痛みを緩和するためには、まず安静にすることが大切です。しかし、痛みがあるのに何もしずにはいられませんよね？その場合、適切にセルフケアをおこなえば痛みを和らげることができます。
ここではすぐに病院へ行けない人のために、あなた自身でおこなえる応急手当ての方法を4つ次のとおりに説明します。
冷やすまたは温める
スポーツや事故で生じた炎症や急な痛みは、氷嚢（ひょうのう）や保冷剤などで患部を冷やしましょう。30分程冷やすと痛みが徐々に和らいできます。
ただ、一時的な炎症は冷やすことで緩和を図りますが、慢性化した痛みにはかえって逆効果になりえます。血流が悪くなり痛みが悪化する恐れがあるので、その場合は温めて血行をよくしましょう。温泉やお風呂で温めてあげるのも効果的です。
ケガがひどい時は、早めに整形外科などで受診することをおすすめします。
サポーターをつける
リハビリ中や治療中などでよく使われるサポーターは、膝の内側の痛みにとても効果的です。サポーターには、膝のグラつきを固定するものや外からの衝撃を緩和するものなどさまざま。膝に装着するだけで、安定させてくれるので痛みも感じにくくなります。
また、膝に痛みがあると血行が悪くなり、ますます痛みが増強されることがあるので、とくに寒い時期は保温性のあるタイプのサポーターで冷えを防ぐようにしましょう。
とはいえ、筋肉や靭帯の使いすぎは安静にすることが第一なので、あくまでも再発予防のための補助として使うことを念頭に置きましょう。
湿布を貼る
湿布を貼るのも消炎鎮痛作用があるので、膝の内側の痛みの緩和が期待できます。急性的な膝の痛みに対しては、冷湿布を使用すると良いでしょう。外傷によって腫れたり熱を感じるときは、冷湿布で冷やしてあげると熱を逃がして痛みも軽減します。
一方、慢性的な痛みは膝周りの筋肉が緊張して固まっていることがあるので、血行不良に陥っています。その場合は、冷やすとかえってよくないので、温熱効果のある温湿布を貼るようにすると筋肉をほぐし痛みも和らぎます。
テーピングをする
サポーターと同じくテーピングも膝を固定する役割があるので、膝の内側の痛みに効果的です。テーピングもさまざまな種類がありますが、伸縮性のあるタイプのものがおすすめです。
スポーツをする前に、あらかじめ膝周りに巻いておくとケガの予防になります。テーピングには関節の可動域を制限したり動きをサポートする働きがあるので、再発する恐れがあるかもしれないというストレスを軽減することもできます。
またテーピングの効果を高めるには、正しい巻き方について事前に調べておくことが大切です。
膝の内側の痛みに効果的な対処法【フィットネス編】
膝の内側の痛みを予防するためのもう一つの対処法として、筋トレやストレッチ、マッサージなども効果的です。とくに太ももの内側の筋肉やふくらはぎを鍛えたり、ほぐしてあげると良いでしょう。痛みの原因は「筋肉のはり」「筋力低下」「足の使い方」に関係しており、これらを踏まえて次の4つのステップで対処していきましょう。
STEP1 内もものストレッチ
- 座った状態でストレッチする方の足を45度広げて、反対の足を内側に折り曲げる
- 股関節から背筋を伸ばしたまま体を折り曲げるように倒る
- 体を倒した状態で、呼吸を止めないよう10秒間キープ
※この時に、背中が丸まったり伸ばした足が内側に向いてしまわないよう気をつけましょう。膝から太ももの内側が伸びているのを感じてください。
STEP2 内ももの筋トレ
- 横向きになり手は頭の横について、もう片方の空いた手で地面を押すように体を支える
- 上に来る足を持ち上げて、大きく円を描きながら足をグルグル回す
- 20秒を3回おこなう
※なるべく大きく足を回すことで効果が高まります。こちらの筋トレはお尻も同時に鍛えることができます。
STEP3 ふくらはぎの筋トレ
- 壁に手をつき肩幅に足を広げて立つ
- かかとを最後まで上げた位置で3秒間キープ
- ふくらはぎの筋肉の動きを感じながら、10回繰り返す
※この時、腰をそらしたりしないようまっすぐな姿勢で行います。
STEP4 内もものマッサージ
- お皿の3本内側の部分に両指をあてて、内ももに押し付けるようにグーと抑える
- そこで上下にゆらしながら10回マッサージする
- 抑えるポイントを内ももの真ん中部分に少しずらして、同じく上下に10回揺らす
※膝の内側の皿部分がジーンとする感覚があれば押すポイントは合っています。
膝の内側が痛い時に病院を受診する理由
ここまで紹介したように、膝の内側の痛みにはさまざまな対策や予防方法があることがお分かりいただけたと思います。しかし、軽症であっても放置していると症状がどんどん進行する恐れもあります。
痛みが長引くときや症状によっては早期治療が必要です。次に紹介するポイントをふまえて適切に対処しましょう。
大きく腫れている
膝が大きく腫れている場合は、すぐに病院を受診するようにしましょう。膝の内側の痛みが原因である可能性だけでなく、関節内にはほかにも炎症を起こす疾患やケガが多くあります。
- 骨折や捻挫、打撲
- 痛風
- 化膿性関節炎
- リンパのつまり
- 水が溜まっている
このような症状があるため、自身でケアするのは難しいです。放っておくと悪化していくので、できるだけ早く受診するようにしてください。
根本的な原因を解明する
病院で検査を受けて根本的な原因を解明するようにしましょう。痛みが軽くても、関節や筋肉の内部に危険な病気が潜んでる可能性もあります。その場合MRI検査を受けることで、膝の内側の痛みの原因を突き止めて適切な治療を受けられるだけでなく、その後の回復を早めることにも繋がります。
自己判断の危険性
膝の内側の痛みに対する対処は自己判断でおこなうのは危険です。症状や怪我によって改善法が異なり、間違った判断をするとかえって悪化する恐れがあります。症状が軽いうちに病院を受診すると、難しい検査や治療などを回避することもできます。
痛みが治らず違和感が続く
しばらく休んでも膝の内側の痛みが治らず、継続的に痛みや痺れが起きる場合も相談しましょう。一時的に症状が治っても慢性的な痛みが続く場合、変形性膝関節症やほか病気の疑いもあるので、早めに病院を受診しましょう。
病気の進行段階は歩きはじめや階段の昇り降り、立ち上がりなど、膝を屈伸する時に痛みが現れることが初期症状として多くみられます。そのうち、動きはじめたときだけでなく安静にしていても痛みが治りにくくなってきます。
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まとめ
健康志向が高まるにつれ、運動やスポーツをする人が増えてきています。体を動かすことはとてもよいことですが、今まで運動をしてこなかった人が突然運動を始めて、膝を痛めるというケースもよく見かけます。
その中でも、膝の内側への痛みを訴える人が多いのも事実。
あなたのあらゆる動作は、膝が健康であるからこそ生活の支えとなって、重要な役割が果たせています。年齢を重ねるにつれ、膝の内側はもちろんのこと膝周辺の関節は全体的に弱まっていきます。
歩くことも辛いといった状況に陥らないよう、痛みは我慢せずに早めに適切な治療を受けるようにしましょう。
とりあえず、普段の生活から膝の内側の痛みを予防したいという人は、今回紹介した「タフシロン 人工筋肉膝サポーター」の【ウォーム】【ホールド】【アクティブ】【ネクスト】の４種類の中から、適切なものをぜひ一度試してみてください。
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